スマート林業について
他の産業でも導入が進められているように林業においても地理空間情報やICT、ロボット等の先端技術を活用し、森林施業の効率化・省力化や需要に応じた木材生産を可能とする林業のことです。
スマート林業では、林業が対象とする計画から造林・育林、伐採・搬出、流通、木材利用など全ての工程で様々な技術を活用することを目指しています。
このような状況における、ICTや地理空間情報を活用し、業務の効率化や安全性の向上などを目指す取り組みは、伐採後の再造林問題や今後、労働人口の減少が予測され、林業においても林業従事者の減少・高齢化、特に造林・保育作業の労働力不足など、多くの課題に直面している中、持続可能な森林経営と林業・木材産業の成長産業化を図るためには、問題を解消する手段として注目されています。
持続可能な森林サイクルの循環への取り組み
木を育てる
森林には、水源かん養機能や土砂災害防止や生物多様性の保全など多面的な機能があります。しかし、人工林が管理されず、収穫期を迎えても伐採されず放置されると自然災害が発生しやすくなります。貴重な自然や動植物(生物多様性)を保護したり、地球温暖化防止、山崩れ防止などの公益的機能(=森林が人へもたらす恩恵)が維持できるよう、人の手で管理・保全していく必要があるのです。
収穫し、使用する
植栽した木を間引きして密度を調整する間伐を行わないと、日光が差し込まず下草が生えないなどにより土壌が失われたり、土砂崩れの原因となったりします。適切な伐採が行われないと、新しい木が植えられず高齢の木々ばかりとなり二酸化炭素の吸収量が低下します。人工林資源を有効に活用する林業・木材産業の取組は、森林の多面的機能の継続的な発揮、山村地域の活性化を促進するとともに、SDGsへの関心に応えることに貢献しています。
木を植える
主伐後の再造林を確実に行うことは、森林の多面的機能を持続的に発揮させつつ森林資源の循環利用を推進する上で極めて重要です。 そのためには、造林コストの低減、苗木の安定供給、下刈りや間伐の省力化等の新たな技術の活用が必要となってきます。この「植える→育てる→収穫する」という森林のサイクルがうまく循環し、林業の生産活動も活発になり、森林のもっているさまざまな機能も十分に発揮されるのです。